ロンリーファイト

世界へはばたく建築士たちの酒場

建築業界におけるシンプル化による問題解決力アップ

世の中の人にとって”シンプル”という言葉はどんな印象でしょうか。
日本の建築業界にいれば、本当にこの言葉の素晴らしさを実感する機会が多いんですよね。
実感できるということは、シンプルにすることで様々な問題や課題が解決しやすくなっているんだとおもいます。

さて、世の中のシンプルな考え方として、
なにかしらの改善やミスがあればそれをルールで直していこうと考えます。
そして、一旦その方向に進めばルールを増やせば増やすほど状況は改善されるとおもってどんどんルールが増えていきます。

そこでふと気づく。
ルールによって縛りがでていることに。
同時に物事の本来の面白さ、楽しさが奪われていくこともあるのではないでしょうか。

最初は良いルールをつくってそれを実践することの効果が非常に大きく感じられたとおもうんですけど、やはりルールを増やせば増やすほどその効果が上がるってことは限界効用逓減の法則からもないんですよね。

そして、そのことに気づかずにどんどんルールを増やすと、現場ではルールを覚えるだけ、ルールの通りに行動するだけで問題にたどり着く前にタイムアップなんてこともあるんです。

当たり前だけど、ルールが増えれば増えるほどゴールへの道のりは遠く厳しくなる。
結果、今まで通りの体制だと、まったく考えることも出来ないまま手続きや準備だけで手一杯となります。
当然、介入する人も増えて費用も上がり期間も伸びる。

そうなると、もはや問題がなにか。
ということよりも、
早くこなす。ことに注力せざるを得なくなるんですよね。

結果として、”いかに考えずに”多くの人を効率的に動かすかということにすり替わってしまうのではないでしょうか。
また、そうなると机上と現場でのギャップは大きくなるばかり。
そしてルールのための暗黙のルールもできる。

もはやシンプルとはなんなのか。
複雑すぎて考える事さえいやになってしまって、何も考えずに手順通りに進めるだけであれば、当初の目的すらもわからなくなることもあるんですよね。

自己満足やランナーズハイだけは得られるかもしれないけど、仕事である以上、同時に周りの人も喜ばせなければ続かない。

さらに、多くの人が関与するようになると、
当事者でもないのに印象からの想像で解決策もなく批判する人が現れることもある。
本人は正義だとおもっているけど、結局は自分の気持ち良さを優先したいだけの無責任な行動をとる人が少なからずいることは否定できない。

最後にはそれに乗じて”ゴネ得”を狙う人も現れる。

感情の問題は他人が解決することは難しい。
そして印象操作。
綺麗なものに人は騙されやすいというロジックを多用しながら、途中参加の全体像がみえていない人を扇動する。


結局のところ、問題を複雑にすればするほど多くの人が干渉するようになる。
多くの人が干渉すればそこに利権やお金がからむ。
平行線状態が長く続くほど得する人がいれば、なおさら問題は解決しない。


では、現場の声を直接反映させればいいのかというとそうはならない。
原則に基づいていない意見、即時的な改善方法は全体からみて意味をなさないことが多い。
そういった現場の声をそのまま反映すれば、現場を尊重しているのではなく、
現場の人達のご機嫌をとるために我儘を聞いてあげているだけになる。



複雑化した問題をシンプルにまとめる。
さらにそれで周りの人を喜ばせる。

さて、どうすれば”シンプル”にできるのであろうか。

シンプル化なんて当たり前だとおもう人もいるかもしれない。
けれど、実際には中々身につけることができない物凄いスキル。

シンプル化という言葉の意味を考えれば考えるほど、仕事はどんどん面白くなる。
まさしく仕事の面白さの一つはここにあるかもしれない。

もちろん、建築士試験でも同じことがいえる。
建築士試験に合格できるかできないかの分かれ目の一つであることは間違いない。

最後に、シンプル化とは問題解決力アップに非常に有効ですが、同時に誰にでも理解してもらえる”良きシンプル”でなければならない。
無駄を省くだけでは決してたどり着けない”良きシンプル”をつくっていけるよう努力していきたいですね。