ロンリーファイト

世界へはばたく建築士たちの酒場

建築士と技術士はどちらが難しい?

よく世間ではこのような不毛な言い合いが。
知らない世界の人たちはいつでも声の大きいほうへ向かいます。

資格試験の偏差値をテキトーにつける乱暴な格付けサイトは結構あります。
自分たちの自尊心を守るためにさじ加減ひとつじゃないのかと真理をついてしまうと元も子もない。
でもそれに流されちゃうんですよね。
そして何の根拠もなくそれを信じる人もいる。
世の中悪い奴が多すぎる。

そもそも、この世界を知らない人が勝手に想像して簡単だとはどういうことだ。
すいません。取り乱しそうにはなりましたが大丈夫です。

一級建築士は建築系最高峰の資格です。
30万人超という登録者数を聞けば、
もしかするとこの資格が物凄く簡単に取得できるのではないか。と一般の方は勘違いされるのも無理はありません。
切り取り方が悪い。


だがあえて言いたい。


この資格は年々難しくなっている。
そして建築士の質も向上している。


何故か?


それは、資格学校の存在です。

この資格、現代では独学で合格することが極めて難しい。
普通に考えて効率よく勉強するのであれば資格学校に通わない手はありません。
というか通わないとほぼ無理。

逆にいえば独学でトライをされる方は・・・
・よほど高い能力を持っている
・時間があり余っている
・効率の悪さを屁とも思わない強いメンタルの持主
・資格学校に払うお金がない
※よほど高い能力を持っているのであればタイムイズマネーが理解できますよね。

資格学校に一年通えばまず80~100万円の出費。
驚きの金額。20代には非常に厳しいです。
入学した時点でまず一年間は遊べないことが確定します。

そして純粋に頑張れば一年で合格できるんだと信じて自分に投資します。
資格学校に大枚はたき、ハチマキ絞めて、受験同様に本気で勉強。
※ハチマキは時代錯誤も甚だしいが事実です。


建設業界は多忙。他の業界と比べてもかなり大変な部類にランクインするでしょう。
そんな合間を縫って勉強、勉強、勉強。
わたしも最初は「海賊王に俺はなる!」ってぐらい純粋でした。無知は罪。


そもそも建設業界って新卒の生存率は2~3割程度。
所謂、頭の良い人、理不尽に耐えられない人、仕事のできない人はどんどん辞めます。
まずそこで生き残る。
そして未来を夢みた建設業界に選ばれし者たちが一念発起して自分に投資するのです。
まさか降りられないレールに乗ってしまうとはこの時は微塵も想像していません。

しかし、この試験における『一発合格』は合格者の・・・・なんと驚きの5%程度。
20人に1人という驚愕の数字なのです。
受験者数ではありません。あしからず。


参考として申し上げますが、
この試験は一般的に評価の高いとされる大学出身者であっても10年受けて合格されていない方もザラ。
10年の間、毎年こんなローンを組んだら楽しみなんて見出せるわけがない。


さて話を資格学校に戻します。


ここで、これってまさかハムスター・・って気づきましたよね?


勝てば官軍負ければ賊軍。
負ければ資格学校に参勤交代を余儀なくされるんですよ。
まさに無限のデフレスパイラル


時間・お金・その他プライスレスな思い出、甚大な犠牲を払いながら必死に勉強してのあの合格率なわけです。
そうそう簡単には合格の扉をくぐれないことは明らかです。

こんな大金の絡んだ資格学校という集金システムが出来上がってしまっている資格試験を
単純にそうでないその他の試験と比較はできません。


建設会社の人口の増加に伴う狭き門の時代も確かにありました。
人口増加に比例して合格者は増えませんでした。

姉歯事件で合格者はさらに狭き門となりました。
受験者数は増えているにもかかわらずです。

そして資格学校に舞い戻り増え続ける亡者たち。
財産や時間、人間関係も擲ち、這いずりながら・・・以下略。
まさに資格学校黄金時代到来ですよね。
集金システムは少年マンガのインフレのように年々パワーアップしています。

付け加えて、この大変な試験を乗り越えるには
人生に一度きりの20代~30代にかけてのヤングパウワウ(推進力)なくして突破は難しい。
おっさんの合格率が低いのもこのためです。あしからず。


とまあ、如何に大変で狭き門であることが少しは理解いただけたでしょうか。



この資格は年々難しくなっている。


逆説的に考えることなかれ。
現実は今。


ということで、建築士技術士はどちらが難しい?という問に対しての答えは、
比較しようがないが、特にここ最近(特に姉歯問題以降)に合格された方は非常に優秀ということは間違いありません。
自信をもってキャリアを積んでいってください。


建築士の資格よりも実際はそこからのキャリアのほうが重要です。
資格をもっていないとはじまらないキャリアも確実にありますからそのあたりのチャンスも掴み損ねないように!


建築士の奥様、友人、その他周囲の皆さま、
これだけ大変なのです。
もう少しだけ優しくしてやっても良いのではないでしょうか。


ちなみにここ最近は、建設業界自体の人口がかなり少なくなりました。

ただし、業界自体が衰退したとしても、建設自体は絶対に無くなりません。
それどころか、資格者の年代として最も多い50代以上が方々が徐々に減少していくことは明らかです。

きっと、資格自体の評価も右肩上がりに向上するでしょう。
デザインビルド、CM業務の脅威は後日書くとして。